今日は、競争地位別戦略について説明します。
戦略課題 | 基本戦略課題 | 戦略ドメイン | 戦略ドメイン | |
リーダー | シェア 利潤 名声 | 全方位型 オーソドックス | 経営理念 顧客理念中心 | 周辺需要拡大 同質化 非価格対応 最適市場シェア |
チャレンジャー | シェア | 対リーダー差別化 非オーソドックス | 顧客機能と独自能力の絞り込み | リーダーができないこと |
フォロワー | 利潤 | 模倣 | 通俗的理念 | リーダー・チャレンジャー政策の観察と迅速な模倣 |
ニッチャー | 利潤 名声 | 製品・市場の特定化(集中化) | 顧客機能 独自能力 対象市場の絞り込み | 特定市場内でのミニ・リーダー戦略 |
大企業はシェアの高い分野で「リーダー」としての戦略をとっていました。それに対して、地域に根ざした企業は「ニッチャー」として、市場の「隙間」ともいうべき特殊な市場の中で、自社の圧倒的な地位を築こうとしてきました。
ニッチャー企業の市場目標は、市場シェアを獲得することではありません。ほかの競争地位類型の企業とは直接的に競合しないという、棲み分けの思想をもって、集中化戦略を策定してきました。
しかし、昨今の顧客の需要の多様化・市場細分化によって、「リーダー」である大企業が全方位型の需要拡大が難しくなってきました。売上高を維持するために、大企業もなりふり構わず「ニッチ」な市場に下りてきたというわけです。
特定市場内でのミニ・リーダーとして君臨していた中小企業の牙城が切り崩されてきています。手をこまねいているだけでは、コスト優位性や資本の集中投下で、あっという間に駆逐されてしまいます。対抗策としては、大企業の「ニッチ戦略」をよく見極めることです。
大方は、「ニッチャー企業」の「フォロワー」でしかないと思います。簡単に言えば、模倣です。表面的な商品などは真似ができるでしょう。しかし、効率を重視する大企業ではできないことが多々あります。
リフォーム業界であれば、大手住宅産業のノウハウで、住宅設備機器の販売・設置などでは価格面で優位性があると思われます。また、販促面でキレイなパンフレットや、建築士やデザイナーなどの人材面でも優位でしょう。でも、全国一律画一的な商品・サービスである場合が多いのです。
大企業は、「売る」ことは得意です。でも、保守・継続的サービスは一般的に苦手です。それは異動・転勤が多く、事業自体のスクラップアンドビルドも激しいからです。
貴社の取り組みとしては、「ニッチャー」としてのスタンスを掘り下げることです。大企業が苦手としている分野に特化して、「売る」ではなく、継続的なサービスをしていくことです。あなたのちょっと痒いところに手が届くサービスを、心がけてみてはいかがでしょうか。
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