ワーク・ライフ・バランス(WLB)とは、「仕事と生活の調和」と訳され、日常生活において勤務先などでの仕事の遂行と充実した生活との両立を図ることをいう。
当初は、少子化との関連で、若い男女が長時間労働のため、結婚生活や子育てと仕事の両立が難しくなっているため、出生率が低下しているという問題意識であったが、今では「充実した生活が仕事における生産性を高め、仕事での充実感が生活の質を高める。この好循環が生活の質を高める。この好循環が企業経営を支える」という考えから広く各社で積極的に考えられるようになってきています。
ワーク・ライフ・バランスの具体的な施策としては次のようにさまざまなものが考えられますが、まずできることから手をつけ、関連しているところから手直ししていくという姿勢が肝要と思います。
(1)法定を超える育児休業や介護休業の制度(2)短時間勤務制度(3)在宅勤務制度(4)自己啓発支援制度(5)転勤免除制度(6)残業免除制度(7)職場復帰支援プログラム等々
どの制度もワーク・ライフ・バランスの推進には有効ですが、「ワーク・ライフ・バランスに取り組む企業が今後生き残る」という決意のもとトップがその気になって推進することが必要です。
とくに短時間勤務制度は、勤務時間の柔軟さを図る制度の中で、状況に合わせて労働時間を短縮できるので、安心して働いてもらえるメリットがあります。
また、最近再び話題になりつつある「ワーク・シェアリング」の考えにも通ずるものでもあります。検討にあたっては、短縮する勤務内容や対象範囲(育児・介護だけでなく自己啓発や病気休職復帰の対応にまで範囲を広げるか等)、賃金の支給の有無などを検討します。
勤務時間の内容については、1日の勤務時間を短縮したり、週の勤務日数を短縮する方法があります。この制度を導入するにあたっては、希望する人がためらうことなく利用できるように、昇進や昇格などの判断に影響がないことをハッキリ伝え、会社全体でこの制度を推進していることを強くPRする必要があります。